こんにちは!カイ(@kaiyoshi328)です。
僕は読書が大好きで、毎日必ず読書の時間を確保して、
様々なジャンルの本を読んでいます。
今回は、著前川ほまれの『跡を消す』について、あらすじを紹介しながら、自分の感じたことを綴っていきます。
これから『跡を消す』を読んで見ようかなと思う方や、
気になるけど時間がなくて、読めてなく簡単な概要だけ抑えたいという方に、ぜひ読んでいただき、
死について、そして命を使うことについて、考えるきっかけとなればと思います。
著前川ほまれの『跡を消す』のあらすじと振り返り
フリーターが特殊清掃という仕事につき、孤立死や自殺など、わけありの亡くなり方をした人たちの部屋を片付け、その死の現場から「死とはなにか」を主人公が考え、変わっていくお話です。
気ままなフリーター生活を送る浅井航は、
ひょんなことから飲み屋で知り合った笹川啓介の会社
「デッドモーニング」で働くことになる。
そこは、孤立死や自殺など、わけありの死に方をした人たちの
部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社だった。
死の痕跡がありありと残された現場に衝撃を受け、失敗つづきの浅井だが、飄々としている笹川も何かを抱えているようで――。
生き方が違うように、死に方は人それぞれ違う
死に方は様々です。例えば、本書では、孤立死、自殺、事故、他殺、病気など。
主人公の浅井は、様々な死の現場に行き、人が生きてきた証を消していきます。
その人が死ぬ前にやりたかったことを知り、自殺する前や生前の行動から亡くなった方の気持ちを考えます。
個人的に心惹かれたフレーズ-1
「優しい言葉なんて存在しない、あるのは優しく聞こえる言葉だけ」
このフレーズを読んだときに、言葉は呪文のようで、受け取り方次第で意味が変わってくるものなんだ、と思いました。
例えば、本書では、主人公浅井が、息子が自殺してしまった母親の依頼で特殊清掃に行きます。
その際、自殺した息子の母に使った言葉について、優しい言葉のつもりだったけど、それが逆に相手を追い詰めていたのではないか。と考える場面があります。
そして、それは相手への配慮や想像力が足りなかったこその、「優しく聞こえる言葉」だったわけです。
僕は普段どんな言葉、どんなことを話すかは、その人の普段の思考に基づくと考えています。
思考は会話に繋がり、そして行動にも繋がっていきます。その影響力は計り知れません。
普段、自分はどんな言葉を発しているのか、振り返る良いきっかけになりました。
個人的に心惹かれたフレーズ-2
自分の命と交換しても、生きていてほしい人っているかい?
こちらは『跡を消す』の中でも、特に心揺さぶられたフレーズです。
人の命は儚いもので、いつその灯火が消えるかはわかりません。そして死は誰しもに訪れます。
どうやって死ぬのかを考えることは大事です。
しかし、さらに大事なのは死を迎えるまでの命をどう使うか、です。
僕自身、今自分の命と引き換えに生きて欲しい人を考えると、言葉に詰まります。
そんな状態でも、自分の命は日々消費している。
僕は大切な人のために、その人が笑顔でいるために自分の命を使えることが、幸せに繋がると考えています。
そして、その幸せを共有できることが生きていた証にも繋がり、今を生きているという実感につながるのではないと考えるようになりました。
[adchord]死について考えてみる。
みなさんは「死」の現場に直面したことはありますか?
僕自身、「死」の現場に直面したことがあるかと言われたら、おそらくないでしょう。
ただ僕はグアテマラで住んできた中で、数度事件現場を目撃しました。
亡くなってしまった方、その隣で悲しみに暮れる遺族や関係者の方。
あまり身近ではなかった「死」、それを目の当たりにすると、
「自分もいつ「死」を迎えるのかわからないな」という不安、
そして「自分はなんだかんだ大丈夫だろう」という思い込みが頭の中で駆け巡ります。
ですが、大丈夫だろうと思っていても、人生いつ何が起こるかはわかりません。
自分はまだ大丈夫なんて根拠はなく、いつその日が訪れてもおかしくないのです。
『跡を消す』を読み、人が生きてきた証、それを残すってどういうことか、
自分はどういった「死」を迎えることになるのかと考えました。
そして「自分はまだ死を現実として捉えることができていないな」と痛感しています。
果たして、死ぬ前にやりたかったことができ、いつでも後悔せずに死ぬことができるという人はどのくらいいるのでしょうか。
突然の死があることを考えると、いつ死んでもいいように、伝えたいことは伝え、やりたいことは行動に移していくことが大事ですね。
死について、そして命を使うことについて考えるきっかけに。
今回『跡を消す』を読んで、そもそも特殊清掃という仕事、それがどのような仕事なのか今まで全く知らず、このような死の現場を清掃する仕事もあるのかと、改めて自分の無知を知ったと同時に、様々な「死」に関するエピソードから、改めて自分の生き方を考えるきっかけになりました。
今、自分の命をどう使っていますか?
そして、これから自分の命をどう使いますか?
死について、そして命を使うことについて、考えるきっかけに、この本を手にとってみてはいかがでしょうか。